揺れる
【ひとひらの雪】美的・漢字仮名交じりで揺れる表現
この文言から軽やかな雪が美しくゆっくり揺れながら落ちる様を書く事にしました。筆は立て、送筆には速い遅いの変化をつけ連綿も入れてみました。遠近感を表現するのに文字の大小・文字と文字の空間だけではなく、この様に墨の濃淡を出したりもします。
【ちるさくら のこるさくらも ちる桜】寂しさ・漢字仮名交じりで揺れる表現
この句は松尾芭蕉が詠んだ句です。桜の花びらが揺れながら落ちる。何か風情があってどこか寂しい、私にはそんな姿に見えます。
その寂しさを表現するのに出来るだけ空間を広くしました。連綿を多用したため読みづらくなりましたが、読み易さよりもテーマの「揺れる」を重視しました。終始、わずかな風の動きを意識しました。
【葉葉葉葉葉葉】漢字で揺れる表現
木の葉の落ちるのを見ていると、風のない時はひらりひらりと右へ左へ、実に楽しそうです。まるで川面に浮いた笹舟が流れに身を任せ動いている様だ、そんな風景を思い浮かべこの筆文字作品を仕上げました。力強くならない様に、弱すぎない様に、それだけは特に注意しました。