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【公開日:2017.10.16 最終更新日:2017.11.11】
この筆文字デザインは、歌手6名の方々のCDの曲タイトルにご採用いただきました。
波の花海岸
活字、フォント文字に見られるような文字にならない様に注意して書きました。それは「波」の氵(さんずい)と「海」の氵(さんずい)の違い、「花」の啄の部分のデザインによって個性的な毛筆作品としました。
興奮している状態で、穏やかな字は書けません。弱々しい心で力強い字は生まれません。人の心は仏法にあるように十の世界を持っています。
この書を書くにあたり、近くの公園をゆっくり散策してスッキリした気持ちになって、ようやく筆を持ちました。私は書を書くのに色々な心の役柄を演じるようにしています。知らない人が私を見たとき、そして話しぶりを聞いた時、その多様性を指摘されることもあります。
それが故に、私1人で筆文字デパートの様々な作風を仕上げることができるのだと思います。
あなたと生きる
この毛筆ロゴは、掛軸作品の仮名と草書を応用しました。
画一的な大きさでは味気ない文字になっていたと思います。文字の大きさには十分に配慮しました。
夕月おけさ
単に夕月といっても、色々な顔があります。それは人の心に反映して見え方が違ってきます。
ここに掲載の「夕月おけさ」は穏やかな雰囲気の送筆と結体によって制作しました。そこには何の気取りのない心の表現です。
紅の糸
筆文字制作で何が難しいか聞かれた場合、私は昔から同じことを言っています。
直線と曲線で構成された文字の注文は、とても難しいものです。直線は、線も含めその周りに緊張感を与えます。曲線は、穏やかさを与えます。だから直線と曲線の混ざった文字は難しいのです。
この「糸」の長い縦画は、あくまで定規等の道具を使わずに書きました。この「糸」を仕上げるだけで100回近く書きました。
夫婦みち
漢字仮名交じりの書において、絶対とは言えませんが仮名より漢字の方を大きく書いた方が、良く見えます。また、左払い・右払いにおいて決まりきった書き方では平凡すぎます。
私の書の制作は種々の古典から学んだうえで、その時自分はどの様な心境になっているのか、その自分と向き合って筆を持つようにしています。
酒みれん
アルコールが体にしっかり回っている状態で、良い書は書けません。
稀に、お酒を飲んだ直後に良い書が書けるという人がいますが、わけの分からない狂草作品を仕上げるようなもので、私は決して書を書く前にお酒は飲みません。
この書は、大らかな気持ちをもって仕上げました。