最新情報
前回、ブログで予告しておりました、かすれのある筆文字見本を躍動感ページに掲載致しました。この作品も、書道塾で習ったり教えたりする二度書きの禁止を守り制作しました。
10年以上前の話になりますが大人や子供に書道を教えていました。当時は専ら、学校で教えるような筆文字で、初球から上級へと進んでいました。私は30代の頃から筆文字におけるデザイン性を追求してきた中で、変わったことを教えたいという気持ちは常にありました。
この作品は、「躍動感のある文言で5~6文字で何でも良いから書く。」と言ったところ、生徒の1人から「有里の泰光」という言葉が出ました。その時に書いた筆文字が躍動感があり力強く、かすれの入ったこの作品です。生徒たちは、この作品を見て顔の表情が変わりました。私は一般のフォント文字や習字の文字と比べて、デザイン書道を好きになったことも手伝って大人の生徒にはデザイン書道だけを教えるようになりました。
諸々の流派の書道作品の中に、私と私の生徒の作品を展覧会に展示したとき、このようなデザイン書道は注目の的となりました。インターネットで、筆文字のデータ販売を始めたのはその頃からです。私のデザイン書道は、インターネットの世界で思いもよらぬ反響を呼びました。生徒達から惜しまれながら書道塾を辞めました。今でも生徒に対して申し訳なく思っております。
私がデザイン書道を書くきっかけになったのが、この「有里の泰光」です。ただ、この筆文字を見本にしたご注文依頼をお断りすることが多々ありました。それは、この筆文字は「泰」の太い右払いの上に「有里」が乗ったかたちとなって、しかも遠近感があるので躍動感表現が活かされるのであり、全ての文言がこのようになるのではありません。