筆文字表札
人はそれぞれ顔が違うように性格も異なります。
お店に入るとき誰しもが看板を見て入ります。その看板の文字がだらしないものだったら、見た人の心はその看板の持ち主をそれなりに想像するでしょう。それと同様に表札に力強い筆文字(墨文字)が使われていたら、その家の住人をそれなりに想像するでしょう。
私は、表札とはその家の顔の様な気がします。私(書家/書道家 伊藤月山)に表札の筆文字をご依頼して下さるならば、私の筆文字だけではなく、他の書家や書道家の筆文字もご覧いただき慎重に検討された上で決めて頂きたいと思います。
それほど表札の文字とはいい加減に出来ないものだと考えております。
例えば、当サイト上の激しい表現の「激闘」の様な筆文字で表札にされた場合、その住人のことを知らない人ならばその筆文字を見て気安くインターホンを押すことが出来ない、そんなものだと思います。それほど筆文字には人の心を動かす力があるのですから、もう一度言わせていただきます。
筆文字には人の心を動かす力があります。従って、筆文字のご注文には充分慎重に決めていただきたいと思っております。
同じお名前であっても一件一件、ご注文ごとに筆文字制作し高解像度の筆文字データを納品致します。お名前は、苗字のみでもフルネームでも制作いたします。
本来、表札は木に直接筆耕するのが主でした。現在はステンレス・大理石・ガラス・竹・プラスチック等、広範囲にわたっての素材を使うようになりました。且つ印刷技術の発展伴い、直接筆耕することは稀となりました。
当サイトでは、全て筆文字データをお客様へ送信いたしますので、そのデータを表札業者様へお渡しいただき製作依頼を行ってくださいます様お願いいたします。
※制作する書風は、下記画像よりお選びください。
※ご注文・お問い合わせはフォームよりお気軽にご連絡ください。
隷書は、古隷と八分がありますが古隷の場合、飾りが無い分だけ地味になります。表札となると、隷書作品は八分のご注文がほとんどです。これらの筆文字は八分を使いましたが、張遷碑と曹全碑の中間ぐらいの長さの波磔が無難だと思い、この様な作品になりました。
私の筆文字作品では、縦書きと横書きでは結体が変わる場合がほとんどです。
私は筆文字をデザインする場合、習字の基本等は全て無視することにしています。例えば、習字の基本では楷書の横画は右上がりが中心となり、収筆はしっかりと止めます。また、転折は内包外包となり縦画の収筆には懸針・鉄柱・象笏・趯等が使われます。この様な基本を外すことによってデザインが生まれると思っております。しかし、むやみに習字から外れて良いものではなく2文字の創作なら最初に書いた1文字に調和した制作を心がけております。
私の筆文字デザインは、習字の基本から外れることから始まっており楷書といえども空海の表現や撚筆や波法や頓挫・提按・飛白・墨色の変化・二律背反の原則等々、様々な手法を取り入れることにしています。
この凛々しさの表現は、鋭い直線の送筆で収筆は魏霊蔵造像記を応用しています。
その名の如く元気に満ち溢れた表現を追及しました。1文字1か所に風舞書の動きの表現を応用して活気表現としています。
行書作品で、重要なことは気脈や筆脈を大事にすることを怠らないことです。私は、行書であっても癒し表現とは違って線質に力強さを入れることも大切にしています。その為、隷意のある筆文字作品なることが時々あります。
癒し表現で私が最も注意している点は、筆先が表面に出ないこと、送筆は円筆を使いゆっくり運筆すること、方の力を抜いて書くことにしています。